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History of Fu ei hou. 2

風営法の歴史2

現在、風営法2条1項は1号~8号までの業種を規制してます。しかし、なぜ風営法は1~8までの業種を規制しようと考えたのでしょうか?

 

風俗営業イメージ向上委員会会長の風営法大魔神としては、

 

「風営法で言う風俗とフーゾクはまった違うものです」

 

っていう表現をよく使うのですが、一般的には風俗もフーゾクも一緒ですし…

 

確かにこのフレーズは正しいのですが、風営法で規制する風俗営業が規制された経緯は、やはり性風俗に関連しててます。

風営法は社会にどの程度影響を与えるのかと言う観点と、日本固有の文化を守ろうという発想の中に生まれたものです。正に健全な風俗を守る為に生まれた法律なんですね。特に歴史をみると、その事が良く分かります。

近代国家になる為に取り締まる風俗

明治政府は新しい日本を作るために、西洋の文化を取り入れる決断をしました。そして日本国が西洋人に文明国だと認められる国に、と言うよりも西洋人からバカにされない国を作りたかったんですね。田舎者扱いされる、野蛮人だと思われるのが気に入らなかった。僕も田舎者なのでそういう気持ちは良く分かります。

政府はまず日本人の習慣を改善する事、西洋人がみてもビックリしないような国民生活を作り上げるために規制を張りました。違式詿違条例(いしきかいい条例)と言う軽微な犯罪を取り締まる条例を出しました。犯罪と言っても日本人がするけど、西洋人はしないだろうと言う事柄を規制しました。西洋人に野蛮だと思われそうな人々の習慣を改善したんですね。その結果、街はキレイになり、裸で街中を歩き回るオッサンなんかは居なくなったそうです。

同時に政府がしようとしたのは建物の西洋化です。西洋の文化を取り入れて西洋っぽくすれば西洋人は文明国だと認めてくれると考えたみたいですね。そうやって色んな西洋文化を日本に取り入れていきました。文化が増えことは良い事ですが、同時に政府としては心配な事がありました。日本独自の文化が壊されていくことです。

 

日本人は人前でイチャイチャすることを嫌がりますよね。でも西洋人って人前でも結構チュッチュしてるイメージですよね。それに親子だろうとなんだろうと"I love you." とか平気で言いますよね。愛情表現がダイレクトなのに対して、日本人って絶対に「愛してる」なんて言わなく無いですか?僕は言いますけど…たしか…

 

どちらが良いとは言いませんが、こういう「西洋人には無い感覚」を、政府は守ろうと考えました。武士道や貞節まで明治維新で崩壊なんて事には成らなかったのですね。と言うかそんな風にはしたくなかったのでしょう。しかしドンドン文化は西洋から入り込んできます。おまけに売春は認めてる。国民が何処で何してるかちゃんと規制しなければならないと考えたのです。

風営法2条1項2号には待合、料理店、カフエーその他設備を設けて客の接待をして客に遊興又は飲食をさせる営業」を風俗業だと定めてます。現代人の感覚では、これらの業種が風俗業として扱われる感覚が分かりませんが、当時の政府は待合をラブホテル代わりに使われたら困るとか、料理店やカフェでは酒が提供されるので、酒に酔った男女が抱き合ってチュッチュしてたら、それを見た人々に悪影響だ、環境によくないとなどと判断しました。

しかし、これらの業種は性風俗ではないので、遊郭のように一か所に集中して設ける事が出来ないし、役人を使って規制しまくることもできない。だから、チュッチュしてる男女を店の外を通る人々から見えなくする様なお店の構造にするように規制しました。因みにこの頃からダンスホールにも規制がかかってます。ダンスホールって言っても今でいうクラブの事じゃなく、たんに踊りができる場所で、お酒は飲めません。社交ダンスをイメージしてもらえば分かりやすいかもしれませんね。でもなぜ社交ダンスがって感じですが、さすが日本人、男女が抱き合って踊るのは環境に悪いと判断しました。。。なんじゃこりゃって感じるのは現代人だからです。当時の人々の中には社交ダンスはハレンチだ!!って思う人も少なくなかったようです。

 

こう聞くと風営法って日本独自の物なんだな~ってホッしますよね。たしかに、西洋人を意識して作られてきた部分も沢山ありますが、西洋人が、日本人は野蛮だから、「あーしろ」とか「こーしろ」とか言ってきて作られたものじゃなくてよかった気がします。

敗戦国の考え方なのか、日本国憲法がGHQよって作られたから、そんなふうに感じるのか…法律の中にはそういった日本人の為じゃないものがいくつかあります。でも僕が専門とする風営法はそんなことはないので安心しました。日本人が日本の文化を守る為に作った法律だといえるでしょう。

 

風営法の歴史3につづく

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