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History of Fu ei hou. 4

風営法の歴史4

今回で、このサイトの主である風営法大魔神が誕生することに成ります。

戦後から、今日まで続く日本国憲法。僕は日本国憲法は素晴らしい憲法だと思います。確かにところどころ改正した方がいいな~って思える個所はありますが、それでも内容は素晴らし。

「法律が人々を縛り、憲法が守る」この絶妙なバランスが今日の日本を支えているんですね。

 

1946年・・・日本国憲法が公布

1947年・・・日本国憲法の施行

1948年・・・風営法の制定

風営法ができた経緯

戦前は警察の権力は、あらゆる業種にたいして規制の権限を持っていたのにたいして、戦後の徹底的な民主化により警察の権力の見直しがはかられました。僕は警察の権力が大きい事は凄く問題だと考えます。昔「es」と言う映画がありました。この映画はアメリカのスタンフォード大学で実際に行われたスタンフォード監獄実験をもとに作られてます。権力を持つと錯覚した者と、権力に従わなければ成らないと錯覚した者の心理を物凄くよく表現しててドキドキハラハラの連続で、こんな事が現実にあったのかと思わせる真実の映画です。この実験では2名の死者と多数の怪我人が出ました。興味のある方は見てください。

 

組織が権力を持つと、その組織に所属する者も権力があると錯覚しだします。特に警察の場合は、自分たちが正義という前提で、その権力を行使するから、たとえそれが間違っていたとしても、下手をすれば知ることもできづに不利益を受ける場合があります。そして、権力を持つ者に対して、初めは些細な物なのかもしれません、しかし、権力を持たざる者は、より高価な貢物をし、自分の暮らしがより良く有利に働くように努力しだします。その結果、社会には賄賂が横行するようになります。現代でも、発展途上国と呼ばれる国では賄賂が当たり前のように通用します。

 

幸運にも、私たちが住む日本では、余りそのような事は無いように思われます。そもそも汚職がない社会なんて、どこにも無いのが現状で、これから先も変わることなく、どこかで密かに行われ続けるはずです。

 

日本国憲法制定時には、力をもつ警察権力を分散させることにします。1947年の12月に警察法が公布、翌年3月に施行されます。これにより戦前に警察の監視下だったものが、他の組織の管轄の下に移ります。ただし、特殊飲食店の規制については、どこにも移管先が決まってませんでした。そして、警察もこれらの業種を規制する権限を持ってません。つまり、特殊飲食店は何の規制をも受けない業種になるのです。まさに「風俗天国時代」ですね。

 

しかし、政府がこんな事態を許しておくはずがありません。そして急いで作り上げたのが、風営法こと「風俗営業取締法」なのです。この風営法は7月10日に公布し、9月1日に施行しました。

 

ここで、少し戻りますが、日本国憲法では「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」と言う、三大要素を掲げてますが、以前使われていた大日本帝国憲法下では、そこまで民主化が進んでいたわけではありません。そして、大日本帝国憲法下で使われていた法律と、日本国憲法の理念につじつまが合わない場合が多々あることから、日本政府は、以前から使われていた法律の効力を1947年12月31日で全部廃止とする法律を出します。これを「日本国憲法施行の際現に効力を有する命令の規定の効力等に関する法律」といいます。

 

1946年 11月 3日  日本国憲法の交付

1947年  5月 3日  日本国憲法の施行

1947年 12月31日  日本国憲法施行の際の現に効力を有する命令の規定の効力等に関する法律

1948年  9月 1日  風俗営業取締法

 

つまり、「風俗天国時代」は1948年1月1日~同年9月1日までの8か月続いたわけですね。この期間は風俗業を取り締まる法律がないため、旧遊郭地帯に限らず色んなところで、売春を目的とする施設が乱立する事になります。これが「青線」の誕生秘話ですね。現代と違ってすごく分かり易い社会だったんですね。現代で法の穴をさがすのはとても苦労がいります。そして穴を見つけたからと言って、こうやって商売につなげれる人はどれ程いるのでしょうか…

 

風俗営業取締法

第1条

この法律で、風俗営業とは、左の各号の1に該当する営業をいう。

1 待合、料理店、カフエーその他客席で客の接待をして客に遊興又は飲食させる営業

2 キャバレー、ダンスホールその他設備を設けて客にダンスをさせる営業

3 玉突場、まあじやん屋そのた設備を設けて客に射幸心をそそる虞のある遊技をさせる営業

 

これが、風営法が初めて規制した業種です。風俗の歴史を知らなければ、これだけ見ても、フーゾクと全く関係の無いものに読み取れますね。これが法律の難しいところでもあって、面白いところなんです。

これを売春を規制する法律だって、外人に見せたら、「なんじゃこれ?」って言いそうですね。

 

日本国憲法が施行され、それまでの法律の効力が無くなり、社会が一瞬乱れた時に急遽作り上げた法律、GHQによる公娼を廃止するようにとの政府に対する圧力、その一方で売春婦の生活も守らなければならないと言う政府の考え、売春婦を一定の位置に集めて取り締まりたい警察、そして売春婦とその業者、時代、それぞれの考えや要望のなかに生まれた風俗営業取締法はこれから日本社会の風俗を取り締まる法律として少しづつ確立していきます。

 

 

 

 

風営法の歴史5へつづく

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